J-popの復活

子供服や乳幼児用品を販売している西松屋のCMには、米米CLUBの「君がいるだけで」のサビの歌詞が使われているものがある。

たとえば 君がいるだけで 心が強くなれること
何より大切なものを 気付かせてくれたね

心がゆさぶられる。
なお、この歌詞は、曲全体を眺めるとどう考えても恋愛歌の一部であることは知っている。切り取ったら子供のことを歌っているように聞こえるだけだ。けれども、心が揺れずにはいられない。

ぼくの人生のほとんどの時期はJ-POPを聞いていない。ゲーム音楽や電子音を聞いている。歌詞が邪魔。そもそも、息子が生まれて、音楽をゆっくり聴く時間なんてなくなった。恋愛ソングに感情移入する、そんなエネルギーはどこにもない。

バスの揺れ方で人生の意味が解かった日曜日
でもさ、君は運命の人だから強く手を握るよ

君のいない世界にも 何かの意味はきっとあって
でも君のいない世界など 夏休みのない八月のよう
君のいない世界など 笑うことないサンタのよう

人間の恋愛感情は母性の派生形質として誕生したことが分かっている。理屈上は、恋愛ソングが惹起する感情の近接部には母性がある。そんなことも、わかっている。

あなたと過ごした日々を この胸に焼き付けよう 思い出さなくても大丈夫なように 
いつか他の誰かを好きになったとしても あなたはずっと特別で 大切で 
またこの季節がめぐってく

ありふれた時間が愛しく思えたら それは"愛の仕業"と小さく笑った
君が見せる仕草 僕に向けられているサイン
もう何ひとつ見落とさない そんなことを考えている

迷いながら 間違いながら 歩いていく その姿が正しいんだ
君が立つ地面は ホラ 360度 全て 道なんだ
Stage of the ground


那由多に広がる宇宙
その中心は小さな君


歌詞のあるJ-POPが帰ってきた。