新生児の何もできなさは異常

生まれて間もない赤ん坊は,
天井を見て手足をバタバタさせている.
手足が自分の一部であると認識できてはいない.
自分の指が顔の変な場所に当たっていてもまるで気にしない.

目は像を結んでいない.
五十嵐大介だったら「精霊と話している」と言うかもしれないが,
水族館で見るマグロの目に近い.
親である私たちではなく,虚無に焦点が合っている.

表情もほぼない.
ミルクを欲しがる時以外の感情と表情はおそらく一致していない.
不愉快さも「なんとなく」に見える.
泣き方に違いが無いからそう見える.

食事・排泄・睡眠すべてに介助を必要とする.
介助がないと死ぬ.

新生児と同時期に犬とも接しているから断言できるが,
新生児は犬よりもコミュニケーションが取れない.
哲学者のピーター・シンガーは「意識能力」の有無を重視して
新生児と大人を別枠として扱った.
よくわかる.

「人間の苦悩や歓び,愛情や恐れは自己意識と不可分である.」
「われ思うゆえにわれあり.」
ならば,新生児は「人間」ではない.




だがしかし,




うるとらすーぱーめちゃんこかわいい
んですよ.



泣いてるとめちゃめちゃかわいそう
なんですよ.犬より,意識能力を持った取引先なんかよりも,ずっと.

これはいったいどういうことだろう?